スピリッツ・ファイティングマン
2020年1月27日発売の月刊スピリッツに友達の漫画が掲載された。
土屋光太郎作の「想像シェアハウス」という読みきり漫画だ。彼には2ndアルバムのジャケットをお願いして描いてもらっていた。
土屋君は大学の音楽サークルの先輩で、一緒にバンドもふたつやったことがある。
本格的にバンドを始動させるというタイミングで急にお笑い芸人を志したり、金もないのに結婚したと思ったら親の祝儀で犬を飼ったり、そんな調子で「漫画家になる」と言い出して東京に行ってしまったので、ああまたなのね。と思っていた。
土屋君が東京に行く前に、彼と組んでいた「ザ・オールナイトロングス」というバンドのレコーディングをすることになった(『人生』の曲からパクったバンド名だけど、個人的に気に入っている)。みんな就職やらなんやらでちりじりになる少し前で、ちょうどいいのかもしれないと思い、土屋君に京都のコスモスタジオの予定を確認しておくようにお願いした。みんな多分、ちょうどいいと思っていたと思う。
日程的に一日しかとれず、一曲のみ録音することにした。土屋君と話してぼくの書いた「CITY LIGHTS」という曲で決め打ちした。
前日の夜にスタジオに入り、そのままみんなで土屋君のアパートで飲み明かしてしまった。ぼくの貧弱な喉はスタジオと酒と煙草でカスカスになってしまった。でも、楽しくて眠れなかった。ほんとは祭りが終わるのが寂しかったのかもしれない。今となってはよく思い出せないんだけど、何度もあったこんな夜も最後だなと思ったのは覚えている。
外に出ると朝の肌寒さに面食らった。夏が終わろうとしていた。
コスモスタジオの朝倉さんと打ち合わせに入る。別のバンドで別のスタジオにてレコーディングをしたとき、あまりしっくりきていなかった経験があったけれど、朝倉さんはよくわからないぼくの話をしっかり汲みながらレコーディングを進めてくれた。
土屋君が一発でドラムを録り終えた。少し固くて、とてもいいドラムだった。続けてまーやのベース、トヨのバッキング、森さんのギターが録られていった。ぼくの歌が一番時間がかかってしまったけれど、みんな駄目出ししたり煙草をすったりして待っていてくれた。
翌日のMIX作業を終え「CITY LIGHTS」は完成した。ぼくはみんなに聴いてほしいと思い、自分のアルバムを作ってそこにCITY LIGHTSを入れようと思った。1stアルバム「十九才のメモ」は翌年の5月に完成した。竹原ピストルさんと日食なつこさんのOPアクトの日にあわせてヒーヒー言いながら完成させたけど、手に取ってくれたのは友達だけだったな。あの頃ってどんなライブしてたんだろうか。とにかく友達に感謝。
https://blog.goo.ne.jp/pistol_1976/e/5f081fef313e717fb81aaf9a1a30fb3a
熱くなりやすくて飽きっぽい土屋君が本当に漫画家としてデビューするなんて、いまだに信じられない。(本人が一番信じられなさそうだったけど)
でも思えばあれから5年以上たったんだな。5年間ずっと描き続けて本当に夢に指がかかったんだな。知らせを聞いたときは顔がぼやーっと熱くなって口がにやにやしちゃって大変だった。やるときゃやるんだな、土屋君!
もしかすると今後売れっ子作家になるかもしれないし、もしかすると泣かず飛ばずのまま終わっちゃうのかもしれない。売れて欲しいと思うけれど、本当はどっちでもいいのかもしれない。漫画が掲載されることで何がどう変わるのか、多分何も変わらないし、多くの人はそんなことどうだっていいんだ。そんなことに一生懸命になる、自分の人生を諦めていない土屋君と友達でいられるのが、とても嬉しい。
他人に笑われても、誰にがっかりされても、世界中に理解されなくても、やり続けることを見つけたのなら、半分勝ちだ。まあ半分負けなんだけど。
タイミング的に遅くなったけど、そんなことで皆様も土屋光太郎先生の次回作にご期待!
最後に2015年(多分)に描いた「ハグ林宅録物語」をここに載せておきます。
PCのデータ整理してて見つけたから思い出してこのブログ書いたんだけどね。
CITY LIGHTSのMVにも土屋君出てます。
▼CITY LIGHTS
駄文を読んでくれてありがとうございました。
それではおやすみなさい。