死ぬか天才か

ハグ林のだだ漏れ思考整理簿(予定)

雑記

心の地下室で核爆弾を作る作業

気持ちいいことが恥ずかしいのが思春期 恥ずかしいことが気持ちいいのが青春 クリアフォルダにくしゃっとねじ込まれたルーズリーフの切れ端にそんな言葉が書かれていた。いつ頃の自分のメモだろうか。なにか名言のようでいてでさっぱり意味の分からない言葉…

恋はいつも幻のように

いくつになっても金土日が嬉しい。 このまま死ぬまでそうなのだろうか? しかしそれは平日が億劫であることの証明なのでおれたちの人生はジョン太夫式開運法に支配されている。 幸せとは拾い集め噛み締める、貧乏くさいものだ。 平日の朝、いつものように目…

よしお

"いいものは、うるさくない。 うぬぼれない。かっこつけない。 色っぽい。悲しくなってくる。" たましいの場所/早川義夫 早川義夫のアルバム「 かっこいいことはなんてかっこ悪いことなんだろう」 というタイトルを見たとき、何かがスイっと胸に刺さった。ナ…

俺たちに明日はない

ぼくの本棚には趣味の悪い本が並んでいるコーナーがある。サピエンス全史など無害そうなものからグラデーションのように、ペニスの文化史、人の死に方、ザ・殺人術、霧の中、暗い森、オウム帝国の正体、日本の黒い事件、生ける屍の結末、人を殺してみたかっ…

スーパー・バッド・サマー

自分は音楽をしている。 趣味だけど、胸を張って「している」と言えることはそれくらいしかない。 聴くのも作るのも、上手ではないんだけど、誰に言われるでもなく続いているので好きだと思う。(何かを好きだと言う自分だって、ぼくは信用できない気がする) …

スピリッツ・ファイティングマン

2020年1月27日発売の月刊スピリッツに友達の漫画が掲載された。 土屋光太郎作の「想像シェアハウス」という読みきり漫画だ。彼には2ndアルバムのジャケットをお願いして描いてもらっていた。 土屋君は大学の音楽サークルの先輩で、一緒にバンドもふたつやっ…

終わった人間

「自分は終わった人間である」という意識がいつの間にか、ぼくの中にある。 ある日突然理解するのではなく、 部屋に少しずつ充満する毒ガスに気分を悪くしながら「ああ、 やはり」と思い当たったかのように、 いつの間にか判明し、酷く腑に落ちた。 何がどう…

君住む街に

11月は、京都にある母校の文化祭へ行った。 サークルの出し物であるステージへの出演依頼をもらったからだ。 卒業してもう7年が経ったけれど、 呼んでもらえるのはまったくありがたいことだ。 車で出町柳まで赴き、市営駐車場に駐車した。 よしや楽器に寄る…

たいふう

築40年の家が軋み揺れる。 20時ごろ、非常に強い大型の台風24号が和歌山に上陸したそうだ。バイパスに並ぶ夕焼け色の街灯の明かりに照らされて、斜め45度から降り付ける雨がここからは見える。みんなが亀のように家に閉じこもって嵐が過ぎるのを待っている。…

ビートルズが教えてくれた

大学生の頃はビートルズが教えてくれたを聴いていた。左京区岩倉の一人住まいには、寂しさを誘う音楽がよく合った。底冷えする真っ暗な部屋でぼんやりとしながら吉田拓郎を聴いていた。 そしてその時、おれは髪と髭を伸ばしてウジウジと生きて行こうと思った…

うつし世はゆめ

うつし世はゆめ夜の夢こそまこと 鳥羽の江戸川乱歩記念館でこの言葉を見たときは、なんだか「アァー」ってため息が胸のうちからどろんと溢れて、乱歩もやっぱりそうなんだ、いやー僕もそうなんです、なんて独り言いいながら嬉しくなって、でもその反面世の中…

金木犀物語

死にたいと口にするほど、高校生の僕の日常は不幸なものではなかった。それどころか、世界を見渡したなら、僕なんかは随分と恵まれた餓鬼ではないか。しかし、それでも死にたいと1人ボヤきたいようなバチあたり気持ちがずっとあって、それは只々何かいいこと…

バカと海

シーラカンスを釣りたいと、うみは言った。病室の窓から見える太平洋に、大きな魚が羽虫を喰らいに跳ねたのを見てから頻りに言う。魚には鱗がなく、鳶色に銀色を塗した斑目の身体と、なにより眼が乳白色に美しいのだと彼女は僕に何度も説明した。ぼくはそい…